奇形のクラゲ

実に実りの無い話

正常な異常者

ご無沙汰しております。

異常者です。

貴方もまた、私にとっての異常者である事をお忘れなく。

裏の裏が表であるかを論ずるつもりは御座いません。

果たして人は、正常なのでしょうか。

他人の倫理に触れ、道徳に触れ、気付けば何が正しいのかを考える事もなく、正しい人間像が貴方を支配してはいませんか。

教師というのは、異常者であります。

何が正しいのかを知らぬまま、人に正しさを説くのです。

精神科医というのは、異常者であります。

何が悲しいのかを理解せぬまま、人の悲しみを聴くのです。

ヴィーガンというのは、異常者であります。

あれは単に、異常者であります。

さて貴方は、何を知り、何を理解し、何を食し生きているのでしょうか。

倫理や道徳などというのは、ただ長く歩いたが為に靴底に付着した土のようなものです。

誰もその土を剥がし、拇指で擦ったりはしません。

先程ヴィーガンを異常者と呼びましたが、ヴィーガンにとって私たちは異常者なのです。

私はドラッグに溺れる事も、詐欺師を撲殺する事も、決して異常だとは思いません。

人様の手料理を皿に残す事の方が、余程の異常であると。

気が違ったのではありません。

貴方と生きた環境が違ったのです。

ご無沙汰しております。

私は、正常な異常者です。