奇形のクラゲ

実に実りの無い話

なべて脳はこともなし

 

遡ること、師走。

夜風と共にハーブ酒に溺れ、レトロ調に傾けるアルル時代に削がれた耳は、孔子の唄を聴く事はなく。

屋上より降りる梯子から宙舞う私の頭蓋は、ダーツ盤を固定するラックに容易く侵されたのです。

脳を損傷した男体は、お人好しな第一発見者に大病院へと担がれました。

麻酔もなくパッチワークのように縫われる痛みに目を醒ますと、ステンレス製のバットから髭面の青年がこちらを覗いていました。

ああ、私か。

その後頭部からは、ホースで水を撒くように血液が。

手術の終わらぬまま、視界には霞が罹りました。

翌朝、脳を欠損し思うは「肉が食いたい」でした。

病院を抜け出し山奥のステーキハウスで400gのヒレステーキを平らげると、フォークの柄に反射するのはいつもの私でありました。

後遺症もなく、気の触れたブログを更新するには充分なほど健康です。

これからも、どうか奇形のクラゲをご贔屓に。