奇形のクラゲ

実に実りの無い話

0309

今日は亡くなった親友の満中陰であり、皮肉なもので、生を受けた日でもありました。

夭折は多くの人を悲しみの淵へと。

三途川の水位が上がるのは、下流にあるのやも。

有難いことに、彼はこのブログの更新を楽しみにしていました。

まさか彼のことをこのような形で書くとは夢にも、いや悪夢にも思いませんでした。

せめてあの世で、読んで頂ければ幸いです。

葬式に参列し半月も経たぬ間に、私は彼の命日を刺青にしました。

私にも、何を思ってそんなことをしたのかわかりません。

ただ、下唇を摘み手前に引くと、いつものように顔を覗かせるのです。

親から貰った体に、などと妙なことを吐く無頼がおりましたが、精神の器に過ぎないこんなものをいつまで愛でているのだろう。

エゴイズムでしょうか。

しかし彼には、止める術もないのです。

様ァ見ろよ。

残された人間は貴方のいない世界を生きてゆくのです。

亡くなった人間は神様になります。

決して、私の宗教に拠るのではありません。

ただ故人というのは不可侵で、思い出ばかりが美化され人々の心には偶像が住むのです。

だからこそ、私は貴方の弱さを、卑怯さを、人間らしさを、憶えていたい。

きっと、誰しもそうなのだから。

私と、こんな人間と仲良くしてくれてありがとう。

そして願わくば、貴方が成し得なかったこれからを生きます。

永く、これからも永く生きます。

私が死んで哀しむ人がいる限り、生きます。

いつの間にか三人称が二人称になっていた。

これは、貴方へ宛てた手紙なのかもしれません。

やあ、天国は良いところか。

地獄へ蜘蛛の糸を垂らして頂ければ、また遊びに行きます。

貴方の親友より。