奇形のクラゲ

実に実りの無い話

多忙は多幸剤

あまりに忙しく、新年にブログを更新し忘れたまま今に至ります。 億劫によるものではあらんと。 ホントです。 みなさま、お元気でしょうか。 そろそろ更新しないと、なんだか天国より怒られそうで。 どうせ暇なら、脳梁の私と思考を共有しようでは。 多忙は…

クイーン=マリエッタよ永遠に

私が中学生のとき、ひどく寝坊をしてしまった朝がありました。 いつもは校庭を横切るところ、教室棟と特別室棟の間に位置する中庭を駆ける私の視界にふと飛込む何かが。 花壇の脇に蹲むと、子供の手のひら大のどこにでもある淡墨の石がありました。 私は特に…

アル中は歩く

2年半もの間、毎日欠かすことなく酒を飲んでいた男が禁酒をしました。 夏休みのラジオ体操すら皆勤賞を貰えなかった人間がどうしてこうも続くのか。 ラジオ体操には依存性がなく、アルコールにはそれがあるからです。 私の母は典型的なアル中で、生まれてこ…

お料理ノート・後編

こんなどうでもいい話を前後編に分けるなって? 一度やってみたかったんですよ。 1Kのアパートに移り住んでから半年が経ち、気が付くと私の家はたまり場になっていました。 毎日のように誰かが訪ね、手土産の酒をたらふく飲んでは酔い潰れる。 そんな日々…

お料理ノート・前編

私は前科者の分際で休日によく料理をするのですが、これが楽しくて。 スパイスからカレーを作ったり、半日を掛けて羊肉を煮込んだりと。 合理的とは程遠い、そんなことが今はハッピーに思えるのです。 まあ私は不届者でしたから、元々は料理をするような人間…

菫は菫色

友が自ら命を断ちました。 決して容易な選択ではなかったと思います。 優しくもか細く、菫のような女性でした。 生きていればいつか良いことがあるなんて、良いことがあった人間の言葉です。 止むことのない雨の中で、生きたいと思える末つ方の糸が切れてし…

君は太陽

君は太陽のような人でした。 疾うに汚れてしまった私には眩い程に、太陽のような人でした。 初めて君と出会った日から、もう何年が過ぎたのでしょうか。 わからなくなるくらい関係が続いてしまいました。 私は酷い人間です。 酒と女にだらしがなく、人を傷付…

高熱のクラゲ

新型コロナウイルスのワクチンを接種しました。 一度目は拍子抜けしてブログを更新する気にもなりませんでしたが、二度目は情けないことに高熱に魘されています。 腕も肩より上は不自由で、ブログを書くしか暇の潰しようがないのです。 私は脳に穴が開こうが…

脳梁に私

私たちは、右脳と左脳を併せ生まれました。 そして、右半身の知覚や運動を司るのは左脳、左半身を司るのは同様に右脳という仕組みを持っています。 これを神経連絡の交叉と呼び、ホモ・サピエンスに限らず多くの脊椎動物にこのような逆転現象が見られます。 …

0309

今日は亡くなった親友の満中陰であり、皮肉なもので、生を受けた日でもありました。 夭折は多くの人を悲しみの淵へと。 三途川の水位が上がるのは、下流にあるのやも。 有難いことに、彼はこのブログの更新を楽しみにしていました。 まさか彼のことをこのよ…

なべて脳はこともなし

遡ること、師走。 夜風と共にハーブ酒に溺れ、レトロ調に傾けるアルル時代に削がれた耳は、孔子の唄を聴く事はなく。 屋上より降りる梯子から宙舞う私の頭蓋は、ダーツ盤を固定するラックに容易く侵されたのです。 脳を損傷した男体は、お人好しな第一発見者…

キル・ユア・ハニー

秋晴と冬夜を々くして語らうは、甚だしくも美しい情景であります。 濁り湯に反照する陽射は、その貌が無邪気なように紅葉していましたでしょうか。 貴女にとって一番の幸福に成れない私は、一番の不幸でありたいと思うのです。 残された青痣だけが私を視て笑…

アンタら暇か

2ヶ月以上更新していない当ブログが、今月の300PVを達成しました。 アンタら暇か。 出掛けたりしないのか。 巷では妙な病が逸っていらっしゃいますが、こんなブログを読んでいるようでは、肺より咲に頭が花畑になってしまう。 GO TO キャンペーンが強盗…

正常な異常者

ご無沙汰しております。 異常者です。 貴方もまた、私にとっての異常者である事をお忘れなく。 裏の裏が表であるかを論ずるつもりは御座いません。 果たして人は、正常なのでしょうか。 他人の倫理に触れ、道徳に触れ、気付けば何が正しいのかを考える事もな…

とある手紙

拝啓 十九の私へ 貴殿が御元気である事は私がよく存じております。 アル中の両親を忌み嫌う私が、弱冠にして同じ路を辿るとは夢にも思いませんでした。 缶チューハイにすら頑なに口を付けず、歪んだ純血を保ち続けた健気は、儚くも散る事となります。 親殺し…

仔猫の骸が笑わない

心とは何でしょうかと問われたら、貴方は何と応えますか。 脳を過るは、差し詰め恋人の顔でしょうか。 アスファルトに轉がる仔猫の骸から舵を切る反射に在ると、私は思います。 仔猫は轢かれたが既に仔猫に非ず。 散らした肉片を掻き集めても元には戻りませ…

火葬

幼子の頃、御厄介になった方が亡くなりました。 とても強い人でした。 強さ故に脆くもある人でした。 とても、とても数奇な人生でした。 私の母親代わりであった彼女は高貴の生まれで、典型的なお嬢様でありました。 あて布だらけのネルシャツを着ていた私と…

ジェリーフィッシュ・コーヒー

本日、当ブログの開設から一周年を迎えました。 精神患者の妄言により始まった奇形のクラゲも50000PVを達成し、世の人々が如何に暇であるかを思い知らされております。 輸入車ディーラーの待合室で無料のホットコーヒーを飲む程手持ち無沙汰であれば、今後も…

新春を憂う

明けましておめでとうございます。 皆様は新春をどうお過ごしでしょうか。 錆びた排水溝が如く御神酒を流し込まれた私の喉は焼け爛れ、文字通り春の暖かさを宿しております。 対照に寒空の下で吹く一筋の白煙は、'19年製ワンショットパイプからの年賀状でご…

無精髭に学ラン

架線を伝い西の都へと進んでおります。 頚椎に巻かれた紐蛇は社会の奴隷たる証であり、出張という肌寒さを夏用の背広で凌いでいるのです。 この私が社会人というフォーマットに収まろうとは、夢にも思いませんでした。 機械仕掛けの日々に“お前は誰か”と問う…

液晶のゴースト

都心に向かう鈍行列車の中で、人々は皆5インチ大の液晶に無表情を反射させています。 いつからか意思はモニターを介して疎通されるようになり、意気は指先の動きで投合されるようになりました。 スマートフォンという掌サイズの文明の利器は、無数の娯楽を齎…

毒物人間

何故か一定数、一緒にいると気を病んでしまう人種が存在します。 原因を辿れどそこに明確な根拠は存在せず、只々その人と共通の時間を浪費すると、心が擦り減るのです。 他者の心臓の鼓動を負値に陥れる程根の暗い人間ではなく、同時に底抜けに明るい訳でも…

北の大地より愛を込めて

運び屋を生業とする大先輩が先日綺麗な奥様との間に子供を授かりました。 結婚詐欺のつもりが情が移り、そのまま結婚に至ったという何とも幸せな馴れ初めであります。 この世に外道がまた一人増えた事を、大変喜ばしく思います。 この度は誠におめでとうござ…

検死のマゾヒスト

日本では、年間約300人もの方がセルフSMで死亡しているという現実をご存知でしょうか。 アジアを代表する変態国家日本と言えど、この数字は大変由々しき事態です。 私は生粋のサディストでありますからセルフSMをする方の気持ちは分かり兼ねますが、マゾヒズ…

熱に視る夢

幼い頃から丈夫にできていて、滅多に風邪を引かない私ですが、偶の休日だというのに熱を出してしまいました。 思えば今週は寝不足続きで、疲労が溜まっていたのかもしれません。 一日中寝込んでいると、よく昔の事を思い出すのです。 薄暗い坂の途中にある木…

麻ましき贅沢

マンチーという言葉をご存知でしょうか。 大麻を摂取した際の食欲増進作用の事です。 日本の誤った薬物教育のせいで、違法ドラッグに手を染めると見る見る痩せてしまうなどという認識が広がっていますが、大麻は寧ろその逆。 摂取すると忽ち食欲が刺激され、…

空飛ぶ自転車

セブ島に向かう飛行機から窓の外を覗くと、自転車を漕ぎ空を往く人型の物体を発見しました。 そう、ピエール瀧です。 先日ミュージシャンであり俳優としても活躍するピエール瀧こと瀧正則氏が、コカインを吸引したとして警視庁に逮捕されました。 有名人が薬…

避妊失敗ベイビー

親に望まれて生を亨け、相応の数の友人に恵まれ、それなのに誰にも愛されていないと嘆く人間が私は大嫌いです。 高校に進学して数ヶ月経ったある日、些細な事で両親と揉め、大きな喧嘩へと発展しました。 その時、私が避妊失敗により生まれて来たことを告げ…

哲学的ゾンビ調査報告書

哲学的ゾンビという言葉をご存知でしょうか。 物理的化学的電気的反応は普通の人間と何一つ違いを有しませんが、意識を全く持たない人間を指す心理哲学用語です。 哲学的ゾンビは外面的には人間と何ら変わらず、喜び、怒り、悲しみと云った反応を示しますが…

失読ルーズ

最近ブログを書いていて文章力があるとの有難いお言葉を頂くのですが、私は活字が読めないので何ともお答えし辛い所存です。 幼い頃より読書が大の苦手で、読書感想文を書かされる夏休みが憂鬱でした。 私は人生でたったの2冊しか、本を読了したことがありま…