奇形のクラゲ

実に実りの無い話

避妊失敗ベイビー

親に望まれて生を亨け、相応の数の友人に恵まれ、それなのに誰にも愛されていないと嘆く人間が私は大嫌いです。

高校に進学して数ヶ月経ったある日、些細な事で両親と揉め、大きな喧嘩へと発展しました。

その時、私が避妊失敗により生まれて来たことを告げられ、堕ろしておけば良かったとまで言われました。

家庭が荒れていた時期で私の精神が不安定だった事もあり、相当堪える物がありました。

殺すぞ、と何度も罵声を浴びせられる事など私にとって屁でも有りませんでした。

でもね、人間生まれて来なければ良かっただなんて、そんな事を産んだ親に言われると何故自分が存在してるのか分からなくなるんですよ。

私の中で何かが壊れてしまいました。

それから余り家に帰らなくなり、ネカフェやラブホテルから高校に通う日が続きました。

アル中の母親が嫌いで、現実逃避の為に飲酒をするのは控えていましたが、代わりに向精神薬に手を出し、実を言うと高校前半の記憶が抜け落ちているのです。

私を薬で餌付けしていた女は、現在六本木でキャバクラ嬢をしているそうです。

随分と良い御身分になりました。

人は簡単に壊れてしまいます。

そして、壊れたら二度と元には戻りません。

壊れてしまった人間は、誰かを壊すようになるのです。

現在子を持つ方、またこれから子をを授かる方、どうか最大限の愛を注いであげてください。

親の愛を知らずに育った人間は、いつか加害者になってしまいます。

不幸な子供がこれ以上増えませんように。

さて、出掛けますか。